批判的意図を持ちうる「なぜ?」<言語分析編>

疑問文

「なぜ?」という疑問文は本来、理由を聞く際に用いますが、疑問詞「なぜ」は、ときに相手の発言を批判する文脈で用いられることがあります。

ある会話

A:明日は遊園地に行こう!
B:え?なんで?
A:明日の天気予報は、快晴だから。
B:なんで快晴だと遊園地?
A:なんでって…快晴の方がアトラクションを楽しめるからでしょ・・・
B:なんで快晴の方がアトラクションを楽しめるん?暑くて大変だよ。
A:もういい(怒)

間違いなくケンカになります。

なぜ、「なぜ?」と聞くのか

「なぜ」という疑問詞は、理由を聞く際に用います。
理由を聞くのは、相手の発言や行動がどういう理由で行われたかを知らないため、その理由を知りたいからです(理由を知っているが、非難するためにわざと理由を聞くこともあります)。

なぜ?の連発は

「なぜ?」を連発すると、上の会話のように、ほぼケンカになると思います。
理由を聞くということは、その発言・行動をする理由を共有していないからです。
のみならず、そうしたくない、という思いがあって「なぜ?」と聞くこともあります。
単に発言・行動の理由を知りたいではなく、自分はそうしたくないのに、なんでそんなことを言うんだろうという思いがあっての「なぜ?」なので、相手は怒るのです。

上の会話で言えば、
Bは遊園地に行きたくないわけです。だから「なんで」遊園地に行こうと言うのだろうと思って「なんで?」を連発しているのです。
この短い会話で3回も「なんで?」を連発すれば、Aは、Bは遊園地に行きたくないと思っていることが分かってしまいます。
遊園地に行きたいAは、だから怒っているのです。
素直に遊園地に行きたくないなぁ、と言った方がまだケンカにはならなかったでしょう。
日常生活で「なぜ?」を連発することは避けた方が良さそうですね。

---終---

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