ブラックな報酬設定

とある投稿

とある投稿で、プロの映像翻訳者を募る記事がありました。
報酬額がかなり安いため、その記事に対して多くの批判が集まり募集側も状況を詳細に説明して再度投稿されていましたが、それでも批判はなくなっていません…

翻訳の価格設定は?

現在、翻訳業界の価格設定は、例えば、

英語→日本語=○○円/1単語、
日本語→英語=○○円/1文字

となっています。

Good morning.

であれば、2単語です。

おはようございます。

であれば9文字です。
これらの単語数や文字数に単価をかけて依頼者に見積りをするのが圧倒的に多くなっています。
以前は、A4用紙1枚で○○円という価格設定でしたが、ワードで文字数カウントができるようになってからは単語数や文字数に単価をかけて価格を設定する例が圧倒的になりました。
㈱英文契約サポートセンター沖縄では現在のところ映像翻訳を扱っておりませんから映像翻訳業界の価格設定や報酬額の定め方のルールなるものはわかりません。
わかりませんが、プロの映像翻訳者の方がそれではやってられない、というのですから安すぎるわけです。
もちろん、自由経済、私的自治が妥当しますから、報酬額の設定は自由ですし、その報酬で仕事を受けるかどうかも個々の方が決めればよいわけで自由ですから、その仕事を受けない外部の者がとやかく言うことではないのでしょう。
ですが、何故、仕事を受けないプロの映像翻訳者が批判をしているのでしょうか?

なにが問題なのでしょうか?

ことは(映像)翻訳業界全体の問題となるからです。

悪貨は良貨を駆逐する(グレシャムの法則)

という表現があります。
安かろう悪かろうの会社が一社でも出てくると、その一社のために業界全体が悪影響を受け、(映像)翻訳業界全体がなくなってしまいかねない…。
業界全体として適正価格を維持することは弊社のような業界にいる方々が業界を守るためにも必要になるでしょう。

ですが、

業界を守るという業界内の方々の努力が常に実るとは限りません。
時代とともに無くなった仕事というものが残念ながらたくさんあるからです。
価格競争「だけ」をしている業界に未来はありません。
違いの分かる質の良い訳文を依頼者に提供していくことが翻訳業界にますます求められていくのだろうと思います。

---終---

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