残り1秒で2点リード!
チームaとbのバスケットの試合中、残り1秒でチームaのシュートが決まり2点リードとなった状況で観戦者Aが、
よし、これで勝ったな!
と発言したとします。
よくある発言ですね。
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ですが、現実はまだ1秒残っていて試合は終わっていません。
現実はまだ試合が現在進行中であるのにAは、これで勝ったな!と過去形で発言しています。
現実は現在進行中なのに過去形を使用…
現実が現在進行中であるのに過去形を使用しているAの主観では、既に応援しているチームaが勝ったことになっているのです。
言語で表現する主観的世界と言語外の現実(客観)世界とが異なっています。
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残り1秒ではもう逆転されることはない、とAは判断してチームaの勝利を主観的に確信しているので、aの勝利を過去形で表現しているわけです。
1秒残っていて試合は現在進行中であるにもかかわらず、Aの主観は1秒後にチームaが勝利したことを既に生じたものとして見ています。
逆にチームbを応援しているBは?
チームbを応援しているBは、Aの発言に対して
いや、まだ勝負は終わっていない!
あと1秒残っている!!
と発言するでしょう。
現実世界の現在進行中をそのまま言語上も表現して、残り1秒に希望を託しています(実際に、残り1秒で3ポイントシュートを決めることもバスケットでは不可能ではありませんから)。
世界をどう見るのか
世界をどう見るのか?
人間の主観により世界の見方は様々です。
人間は自分の主観を言語を用いて(現実世界の因果関係や時間と関係なく)自由に表現することができます。
現実世界の現在進行中を過去形で表現する上の例に、言語表現の無限の広がりの一端を見ることができるかと思います(もちろん、言語では表現できないことも多くありますが…)。
---終---
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