怪しい履歴書が出回っているようで…

翻訳業界で、最近怪しい履歴書が出回っているようです。

・トライアル受験を職歴の一つに挙げる
・専門能力を偽る

こういったことを有料高額で教えている方からそういった履歴書の書き方を教えてもらっているとのこと…。
英語力がなくても翻訳者になれる、という趣旨の売り文句で受講生を集めているようです。
「専門知識がなくてもネットで調べる程度の知識でできます。」とも言っています。
真の翻訳者であれば、そういったことは絶対に言えません
英語力は必須です。もっと正確に言えば、必要最低条件です。
その英語力に加えて、日本語力も必要最低条件です。
そのうえで、専門分野の知識が十分条件になります。

・英語力
・日本語力
・専門知識

この3つが必要十分条件になります。
さらに、怪しい履歴書を指導している方は、こうも言っています。

知識があれば調べる手間が省けるので早くできるというだけです。

なんという暴論…
専門知識がないなら調べたことが当たっているのかどうかの判断もできないはずです。
ということは、自分の翻訳が誤訳であるかどうかが分からないということです。これで翻訳のプロになることができるわけがありません。
世の中、怪しい広告が沢山ありますが、まさか翻訳業界にまで進出してきたとは…。残念でなりません。
上手い言葉に騙されてはいけません。
「巧言令色鮮矣仁」です。
騙されないでほしいです。

弊社「株式会社英文契約サポートセンター沖縄」にはそういった履歴書はまだ来ていませんが、似たものはあります。
弊社では、まず履歴書をチェックしてトライアルを受けてもらうかを判断しております。
ただ、履歴書チェックのみで落ちる方は出ないようにはしております。履歴書を送ってもらえればほとんどの応募者にトライアル問題をお送りしております。
ですが、履歴書だけで落とさざるを得ない方がいらっしゃるのも事実です。
何をどう記載したから落とされるかの基準をここで公開することは残念ながらできません。
翻訳者の資質がないと判断せざるを得ない一文を記載してくる方がいらっしゃるので、そういった場合は、残念ながらトライアルをお断りしております。
決して学歴や職歴では判断しておりません。ですので、上記のような履歴書が送られてきても、トライアルの結果で判断するだけですので弊社自体に特に直接の害はないといえばないのですが、あえて言わせていただくと、そういった履歴書でもし仕事を受注したとすると翻訳業界の質の低下を招き、翻訳業界全体が沈没してしまう可能性があるということです。最終的には個々の翻訳者の生活が成り立たない事態が発生するのではないでしょうか。そういった事態は絶対に避けなればなりません。
世の中的に、翻訳は横を縦に直すだけ、縦を横に直すだけ、という誤解がまだある状態で上のような履歴書が増えればさらに状況は悪化しますので、翻訳者を目指している方は安易な方法に飛びつかないように気を付けていただきたいと思います。
もちろん、一番気を付けなければいけないのは、私たち翻訳会社です。

能力のある翻訳者に適正な報酬を支払いこと

これを死守することが今後も大切になると思います。

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