簡単になれる?
翻訳者に簡単になれる的な謳い文句が世の中にはまだまだあるようです。
しかも、高額な受講料を支払うとのこと。
もちろん高額かどうかは提供されるサービスを受講者がどう判断するかによりますが、その前にすべきことがあるのではないかと思います。
用意するものは?
高額な授業料を支払う前にすべきことは、
まず、
1 興味ある分野の原書
2 その原書の訳書
を用意することです。
2冊の本代だけですみます。
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原文を翻訳ではどう訳しているのか?
これを一文一文チェックしていくということをしてみるのです。
自分で原文を訳してみて、それを訳書の訳文と比較してみる。
かなりの勉強になると思います(英日翻訳者になりたいと思う方でしたら英文法はご存知だという前提です)。
本当に翻訳者になりたいのならこれくらいの労力は払えるのではないかと思います。
さらに、同じ原書でも翻訳者が異なる複数の訳書もあったりしますから、その訳書の読み比べというのも翻訳の勉強になると思います。
また、後の訳者は、前の訳書とどう変えたのかなど、翻訳の裏話を訳者解説の部分などでしていたりしますから、翻訳者になりたい方には(のみならず、同業者にとっても)宝の山です。
まずは、そういった努力をされる方でないと翻訳者になる前提条件を充たさないだろうと個人的には思います。
翻訳者があつまるSNSなど
上のことは一人でじっくりとできますが、そのうち、一人では物足りなくなりますので、翻訳者で構成されているSNSのグループを利用するというのも次の手としてあります。
翻訳に関する質問があれば丁寧に教えてくださる翻訳者が多いと思いますので、そういったSNSを活用すると翻訳者への道がより開けてくると思います。
騙されたと思う前に
そもそも英日(日英)翻訳者になるのに英語の知識はあまりいらないなどの謳い文句はかなり眉唾物です。
いかに機械翻訳が発達してきているとはいえ、最後は人間が翻訳をするわけですから、英語と日本語に関する深い理解は必須です(詳細は、「機械翻訳精度95%のからくり<AI翻訳>数字のトリック」を参照されてください)。
そこを誤解して簡単に翻訳者になれると思わないことが翻訳者になる第一歩だと思います。
千里の道も一歩からです。
楽をして翻訳者になるという道はないですから是非着実な方法で翻訳者への道を歩んで欲しいと思います。
---終---
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