お先にどうぞ!<英語文化編>2

お先にどうぞ

英語での表現に次の2つがあります。

After you.
Go ahead.

どちらも、「お先にどうぞ」という意味になります。

どこが違うのでしょうか?

同じ意味とはいえ、語形が違うわけですから何らかの違いが必ずあります。
結論を先に言えば、

After you.(丁寧
Go ahead.

となります。

何故なのでしょうか?

何故でしょうか?

丁寧表現の特徴

まず、丁寧な表現の特徴は、直接的ではなく間接的である、という点にあります。
日本語でもそうですよね。
例えば、

1 あの人嫌い
2 あの人苦手

では、2の方が1よりも丁寧だと思います。
「苦手」だとの評価には、「嫌い」という直接的な感情が先行しているのが通常でしょう。
つまり、「嫌い」という直接的な感情から「苦手」という評価が導かれているといえます。「嫌い」を介して出てくる評価が「苦手」という評価なのですから、「苦手」という評価は「嫌い」よりは間接的な表現だと言えます。

[After you.] vs [Go ahead.]

[ After you. ]も[ Go ahead. ]も同様です。
[ After you. ]は、直訳すれば、「あなたの後」で、[ Go ahead. ]は、「先へ行け」です。
[ Go ahead. ]は、自分よりも先に行け、と直接的に表現しています。つまり、あなたに対して、自分よりも前に出なさい、と直接的に言っているわけです。
これに対して、[ After you. ]は、「あなたの後」に私は行きます、と言っていて、私があなたの後ろに移動します、その結果、あなたが先になります、というニュアンスになります。

AがBに「お先にどうぞ」という場面では、
[ Go ahead. ]の場合は、移動する人が、譲られる人Bで、
[ After you. ]の場合は、移動する人が、譲る人A

となっているのです。
図示をすると、次のようになります。

どちらの場合も、BがAの先になっているという結論は同じですが、誰が動いたのかで違いがあります。
[ Go ahead. ]の方がより直接的な表現であることがわかります。

イギリスでは

ちなみに、
イギリスでは、丁寧表現の[ After you. ]が好まれるようです。
紳士の国イギリスだからでしょうか(個人差はあると思いますが)。

---終---

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