「鬼の棲む遊郭」(鬼滅の刃8巻より)<言語分析編>

面白いですね

「鬼滅の刃」
面白いですね。漫画は最終回を迎えましたが、映画やCMなどで見ない日はないかと思います。
さて、その漫画の中で少し気になる表現がありましたのでここで検討してみたいと思います。

「鬼の棲む遊郭」

「鬼滅の刃」8巻の一番最後に、

鬼の棲む遊郭

という表現が出てきます。
この表現には、二つの意味の可能性があるのではないかと思います。

1=たまたま鬼が棲んでいる遊郭
2=遊郭には必ず鬼が棲んでいる

この二つの意味は、だいぶ違います。

1⇒遊郭には、鬼が棲んでいる遊郭もあれば鬼が棲んでいない遊郭もある、という意味です。

2⇒鬼が棲まない遊郭はないわけです。つまり、2の意味だと、「遊郭」という言葉自体に鬼が棲むという意味が含まれていることになります。全ての遊郭に鬼が棲む、ということですね。

どっち?

どっちの意味でしょうか?
という質問をする必要もないくらい答えは明確かとは思いますが、一応検討してみたいと思います。
炭治郎たちは、鬼狩りの鬼殺隊員ですから鬼がいる場所へ出向き鬼を狩ります。ストーリーでも、炭治郎たちは、鬼がいる場所がどこであれ、そこへ行って鬼を狩っています。
8巻でも、遊郭に鬼がいるとの情報を得て、その遊郭へ乗り込んで(上弦の陸-堕姫、妓夫太郎-と死闘を繰り広げました)いますので、文脈からして、その遊郭にはたまたま鬼が棲んでいただけということになります。
もし、2の意味(遊郭には必ず鬼が棲んでいる)だとすると、他の遊郭にも出向いて鬼を狩らないといけないはずですが、漫画では遊郭の話はこれだけです。
ということで、1の意味での「鬼の棲む遊郭」(たまたま鬼が棲んでいる遊郭)ということになります。

個人的には

「鬼滅の刃」が良いなぁ、と思うのは(これまでの少年漫画にはあまりなかったことだと思うのですが)悪にも善の部分があるということをはっきりと描いていることです。鬼は初めから鬼ではなく、善良な面を持った人間だったのですが、様々な事情で鬼になることを選んだというストーリーに涙を誘われる…。だが、鬼である以上退治しなくてはならない。炭治郎は常にその葛藤に苦しみながら鬼になった妹を人間に戻す方法をさがすために鬼狩りをしていく。単なる善vs悪にとどまらないところが個人的には読みごたえがあると思います。

---終---

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