句動詞
句動詞とは、動詞と前置詞/副詞がワンセットになったものです。
たとえば、
- I get off his shoe.
赤色の[get off]が句動詞と呼ばれるものの一例です。
上の例文はどういう意味でしょうか?
実は、意味として2通りの解釈が可能です。
句動詞の2つのパターン
句動詞には2つのパターンがあります。
- A:動詞+前置詞+名詞(自動詞解釈)
- B:動詞+副詞+名詞(他動詞解釈)
AとBのどちらのパターンであるかで意味が全く変わってきます。
もし、上の
- I get off his shoe.
の[off]を前置詞としてAと解釈(自動詞解釈)すると、
意味は、
- 彼の靴から降りました。(不自然な日本語ですが、この後解説します)
となります。
しかし、[off]を副詞としてBと解釈(他動詞解釈)すると、
意味は、
- 彼の靴を脱がせました。
となります。
文脈による
自動詞解釈のAなのか?
他動詞解釈のBなのか?
で大きな意味の違いが出ます。
その区別は、前後の文脈を見なければわかりません。
彼の靴の上に、ある人が足を置いていた状況での[I get off his shoe.]
であれば、Aの解釈(彼の靴から降りました=彼の靴から足をどかせました)となります。
ですが、彼が小さな子供で自分で靴を脱げない状況での[I get off his shoe.]
であれば、Bの解釈(彼の靴を脱がせました)となります。
誤読が生じないようにするには?
誤読が起こらないようにするには、Bの解釈の場合は、次のように書けば解決します。
- I get his shoe off.
このように書けば、「彼の靴を脱がせました」以外の解釈はできないので、誤読されません。
副詞の[off]の語順を変えて、文末に置くだけで良いのです。
こうすることで、[get]が他動詞であることが明らかになり誤読がなくなります。
契約書の翻訳でも、こういった基本的な文法を正確に理解していることは極めて重要です。
前回の、“解放”と“束縛なし”<リーガル翻訳編>liberty
もご一読いただけると幸いです。
---次話へ続く---
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