NoとNotの使い分け
“No”と”Not”は使い分けられています。
[a]. I have a small office with no windows.
[b]. *I have a small office with not windows.
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[*]は、英語としては用いられない不適格文であることを表す記号です。
[b]は不適格な文です。少しでも英語に慣れている方なら語感的に[b]が不適格だとわかると思います。
でも何故[b]が不適格なのでしょうか?
品詞は?
答えは、”No”と”Not”の品詞にあります。
No=形容詞
Not=副詞
です。
形容詞=名詞を修飾
副 詞=動詞、形容詞や副詞を修飾
します。
形容詞の”no”
[a]は、windowsという名詞を修飾する語として”no”があり、
[b]は、windowsという名詞を修飾する語として”not”があります。
名詞を修飾する品詞は、形容詞ですから名詞windowsを修飾する否定語は、形容詞の”no”でなければなりません。
ですので、[a]が適格で、[b]は不適格となるのです。
副詞の”not”
副詞の”not”は、動詞、形容詞や副詞を修飾する際に用います。たとえば、
I played baseball on the playground, not in the park.
の”not”がそうです。
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“on the playground”
“in the park”
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は、野球をどこでしたのかを表す副詞句です。野球を「した」という動作(動詞)がどこで行われたかを説明しているので、”on the playground”、”in the park”は副詞句です。
副詞は副詞も修飾しますから、形容詞の”no”ではなく、副詞の”not”を用いるのです。
“not”は動詞を否定するだけだと誤解している方もいるかもしれませんので注意が必要です。
翻訳をするにあたって
語感は当然大事なのですが、語感だけに頼らず正確な文法知識をあてはめて文の仕組みをしっかりと理解した上で翻訳をすることが翻訳者の必要条件です(十分条件は、日本語能力と専門分野の知識です)。
基本の積み重ねを日々怠らないようにしたいですね。
---終---
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