…業界の値崩れ…<翻訳ってナニ? 機械翻訳編>4

RIE
まぁそれは今は置いといて、機械翻訳の弱点とかを押さえておけばノープロブレムってことですよ。
真栄里
ノー天気な奴だな。
さっきの聞いてたか?
あれだけの弱点があっては翻訳の下訳にも厳しいぞ。
それをポストエディットするとなるとどうなるか知ってるか?

RIE
わかるわけないです。
RIE、翻訳者じゃないですから。
真栄里
翻訳のし直しになるわけだよ。
RIE
翻訳料もらえるならいいじゃないですか?
真栄里
もらえるならな。
だが、おそらく、ポストエディットの料金で実質的には翻訳を求める会社も出てくるはずだ。
そうなるとどうなるか。
翻訳業界の値崩れの始まりだ…
恐ろしい
RIE
それは恐ろしいです。
でも依頼人には優しい。
真栄里
翻訳者が生活できなくなったら依頼人が一番困るだろうが。
もっと大きな視点で物事を見ろよ!
目先のことばかり考えるとすべて崩壊するぞ!
RIE
まぁ、それはそれとして別の機会に考えるとして、機械翻訳のポストエディットの未来です。
未来はありますか?
真栄里
ない。
そもそも、ポストエディットというのは、翻訳の文体を基本的に変えないんだよ。
RIE
え?
じゃなにするんですか?
真栄里
誤字脱字や文法ミスの修正だ。
RIE
それだけ?
真栄里
そうだ。
それがポストエディットだ。
最低限の修正になる。
だが、機械翻訳のレベルでの翻訳を本来のポストエディトで修正しようとしてもできなくなる。
文体から変えて根本的な修正をしないといけなくなるからだ。
ポストエディットの料金でそこまではできない。
RIE
ふーん、大変なんですね。
あっ、次はアイスワイン飲んでみよっと。
もらいますね、先生。


うん、美味しい。
真栄里
こら、これは高いワインだ。
勝手に飲むな。
RIE
いや、だから今先生に断ったじゃないですか。
真栄里
俺は飲んで良いとは言っていない!
承諾なしで飲んだら窃盗だろうが。
RIE
法的なことはさておき、先生そもそもお酒飲まないでしょう?
もったいないからRIEが飲むんです。
真栄里
まぁ、飲まんけど。
でも売ったら高く売れる酒なんだぞ。
RIE
知ってます。
だから飲むんですよ。
先生もどうぞ。


---グラスを手渡す---


真栄里
ほぉ。
なんかめっちゃ甘いな。
まるで梅酒のようだ。
RIE
その感想はどうかと思いますが、甘くておいしいのは間違いないですね。
さすが高いだけあります。
ありがとうございます。
ごちそうさまです!
もっと飲みたいです。
真栄里
飲めばいいだろ…
って、もうないじゃないか。
これだけしか入ってないんか?
RIE
200mlです。
真栄里
少なっ!
ちょうどいい、もうなくなったから早く帰るように。
RIE
じゃ、RIEは寝ますね。
真栄里
歩いて帰れよ。飲酒運転になるからな。
RIE
わかってます。
歩いて帰ります。
近いですから。
真栄里
おやすみ。
RIE
はい、おやすみなさい。


---書庫に入っていくRIE---


真栄里
こら、そこは書庫だ。
玄関はもっと先だ。
RIE
いや、ここで良いんです。
おやすみなさい。
真栄里
待て待て待て~
意味わからん。
RIE
お泊りセットを書庫にセットしておいたんで大丈夫です。
心配ありがとうございます。
布団も枕も用意していますから。


---書庫を見て驚く真栄里---


真栄里
い、いつの間に…
RIE
じゃおやすみなさい。
女子の部屋に勝手に入ってこないでくださいよ?

---機械翻訳編・終---

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